November 25, 2011

viBirth Artist Interview♯029『荒川ケンタウロス』

 

荒川ケンタウロス

荒川ケンタウロスという名前の5人組バンド。ユニークなネーミングセンスとは裏腹に、彼らの音楽は思いのほかストレートに心に響く実直さと、ポップさを持ち合わせている。そしてどこか懐かしい感じがするのだ。11月23日にリリースされる『遊覧船の中で見る夜明けはいつも以上に美しい』は、彼らにとってファースト・ミニ・アルバムである。2009年に結成されたばかりの荒川ケンタウロス。気になる彼らの音楽論と素顔、そして今回コラボレーションしたシュール系ギャグ漫画の匠・漫画家の長尾謙一郎氏とのエピソードについて、話を伺ってみた。

荒川ケンタウロス
(メンバー右から:Vo:一戸、Key:場前、Gu:楠本、Ba:土田、Dr:尾越)

—まず結成の経緯について教えてください。

土田(Ba):僕とギター(楠本)は元々大学の先輩後輩の関係で、「バンドをやりたいね」って話をしていたんです。お互い色々なバンドのサポートとかをしながら、メンバーを探しまくってて、そこから1年くらい経って今のメンバーに落ち着いたという感じです。まあ正確に言うと、ドラマーのメンバーチェンジは1度ありましたけど。

楠本(Gu):びっくりすることに、たまたま場前くん以外は同じ大学出身だったんですよ。在学中はお互い知らなかったし、後から知ったんですけど。あ、でも場前くん仲間はずれみたいで可哀想だし、大学出身バンドとは呼ばないでください(笑)。

—すごい偶然ですね。バンド名は、漫画家・長尾謙一郎さんの「おしゃれ手帖」のキャラクターから取ったと伺いましたが?

楠本(Gu):そうなんです。長尾先生のファンで。

土田(Ba):最初は思いつきだったんですけど、「荒川ケンタウロス」ってインパクトがあるし、いいんじゃないってことで、みんなの意見が一致しました。

—ちなみに今回のアルバムも、その前に出したシングル「天文学的少年」も、ジャケット・デザインは長尾先生が手掛けていますよね?これはどういった経緯で実現したのですか?

楠本(Gu):バンド名を決めたものの、ライブとかをやるにあたって、果たしてこのまま名前を勝手に使ってていいのかなって思って。それで直接、長尾先生に連絡して「バンド名として使っていいですか?」って聞いたんですよ。そしたら意外にも快諾して頂けてビックリしました! さらにレコーディングが終わった後に、「ジャケットどうする?」ってなった時に、ダメもとで長尾先生にお願いしてみたんです。そしたらこれも快諾! そんなワケで今に至ります。

—ファンとしてはこの上ない喜びですね。さらに今回、PVも長尾先生が手掛けたとか? ※映像はYouTubeにて現在公開中!

楠本(Gu):そうなんです。本当にここまでご一緒できると思っていなかったので感激です。


土田(Ba):撮影に関しては…山奥でバスローブ着せられたり、パンツ一丁だったり、シャボン玉吹いてみたり、塩を撒いてみたり…それが全貌です(笑)。






—うわ〜。独特過ぎて聞いただけでは、どんな作品なのかまったくわからないですね。

楠本(Gu):できあがってきたものをまだ見ていないんで(インタビュー当時)、
僕らに自身も内容は全然わからないんですが、先生の中では、初めからある世界観ができあがっていたようですよ。

場前(Key):僕、個人的に鳥が好きなんです。家でも飼っていて鳥屋敷みたいな状態なんですが、今回そんな僕の意向を汲み取ってもらい、PVにも鳥が出演していますので、そちらにも注目してもらいたいです。長尾先生に鳥が好きだって話したら、長尾先生も好きだったみたいで、鳩話ですっごく盛り上がったんですよ!

—え? 鳩の話で盛り上がるんですか!?

土田(Ba):すごい笑顔で話してたよね。土鳩がどうとか、まったく何言ってるのかわかんなかったけど(笑)。

場前(Key):世の中、ペットといえば犬と猫ばっかりじゃないですか? 僕はいつか、鳩の親善大使になれたらな〜って…(遠い目)

楠本(Gu):もう話が全然音楽関係なくなってるし! いっそキーボード・ハトとかにすればいいのに。

場前(Key):いや、ひとりだけ変だし意味分かんないですよ、それ!

(一同爆笑)

荒川ケンタウロス

—えーと、ゴールが見えなくなってきたので、話を作品に戻して良いでしょうか(笑)?今回のアルバムはご自身から見てどんなアルバムに仕上がりましたか?

一戸(Vo):今の荒川ケンタウロスが全て詰まったアルバムです。既にやってきた楽曲の中から今の自分たちを表現するのにふさわしいと思った曲を選んで、収録したんですが、実際に聴いてみてまとまっていると思います。

尾越(Dr):そう。何回聴いても飽きないアルバムです!

—アルバムの曲は、人生におけるいくつかのシーンを切り取った様な、そんな曲が多いですよね。何だかノスタルジックな雰囲気も感じられるし。でもラブソングみたいなものってありませんよね?

楠本(Gu):自分が書きたい曲を書いていったらそうだったんですよね。直接的ではなくて、曲の中にはそういう要素もちりばめられていますけど。

土田(Ba):バンドが好きだっていう純粋な気持ち、バンドを始めた頃にキラキラした気持ちとか、誰もが昔持っていたような気持ちが曲に表れていると思います。そして、バンド始めた頃のそういう気持ちを、僕らは今でも持ち続けているし、これからも持っていたいという願いも込めて。

楠本(Gu):あの頃は良かったなってだけじゃなくて、いつまでもその気持ちを忘れないってことが重要なんだと思います。

—アルバムの中には、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の主題歌として勝手に作った曲があるようですが?

楠本(Gu):暗いですよね(笑)。もし何かの縁で、本当に主題歌として採用されたらいいなぁと願ってます。自分の経験だけじゃなく、見て影響を受けたものなんかも作品に反映させていますね。

—今アルバムでは、作詩作曲は楠本さんが全部なさっていますよね。

楠本(Gu):そうですね。ドラムパターンや、ギターのリフとメロを打ち込んで歌詞を付けて。自分のパートはある程度決めますが、あとはそれぞれメンバーに任せますね。構成とかも後から変わっていくし。今回は全部僕が作っていますが、今までの曲の中では他のメンバーも作っていますよ。作った人間が主導で歌詞まで担当するというスタンスは変わっていません。全員曲作りできるようになるのが理想ですね。

一戸(Vo):皆それぞれのデモを作ってくるんですけど、アレンジしたものを最終的にまとめていってくれるのが実はベースの土田さんなんです。スタジオでの影のリーダー的存在は彼ですね。

—それぞれのメンバーの音楽の原体験ってどんなものなのでしょうか?影響受けたアーティストについて教えてください。

楠本(Gu):僕はLUNA SEAのSLAVEですからね。

土田(Ba):単純にめちゃめちゃファンだよね(笑)。だって昨年のクリスマス3日間ライブに行ってたもん、1人で。あまりに好きすぎて、僕たちがLUNASEAついて軽めのコメントを言うと怒られるんで、あんまり触れられないですね。

一戸(Vo):僕は荒川に入る前まで、弾き語りを1人でやっていたので、バンド音楽をあまり聞いてなかったんです。このバンドを始めてから、色々な影響を受けて色々な音楽を聴くようになったし、「荒川ケンタウロス」が僕のバックグランドに、現在進行形でなりつつあるっていう感じでしょうか。

場前(Key):僕もバンドをちゃんとやる前までは、インディーズ・シーンなんかも全然知らなかったのに、バンドを始めてそういった音楽をすごく聴くようになりました。同じ位の年代のバンドの曲なんかも色々聴いてます。

土田(Ba):僕は逆にこのバンドでちゃんとやり出して聴かなくなりました。昔はインストとか海外のバンドのものを聴いてたんです。フジロックとかのフェスも行ってましたし。フジロックといえば、昔一緒に行った音楽やってる先輩が「(フジロックのステージを)見てると出たくなるね〜」って言ってるのを聞いて、当時の僕は「何言っちゃってるんだろう、この人」って思ってたんですよ。別に楽しいだけでいいじゃんみたいな。けど今は心から出たいと思うようになりましたね。だからこそ今は、日本にいる僕たちと同じ世代のバンドの音楽を聴くと、自分たちと比較しちゃうんで、あまり聴かないようにしてます。

尾越(Dr):僕は元々早くて激しい音楽が好きなので、荒川みたいなバンドに関わることは絶対ないって思ってたんです。でも気づいたら荒川のライブには客として3回も行ってて……僕は人様のライブに3回も行くっていうことはあまりないんですが、彼らの特殊なJ-POPにハマっていっちゃったんです。でその後に、たまたま僕がやっていた前のバンドを抜けるタイミングで、荒川のメンバーとして参加が決まって嬉しかったです! でも僕のルーツなんで、そういう(早くて激しい音楽の)要素はバンドの中にも取り入れていますよ。聴く音楽の幅は、バンド入って広がりましたけど。


—なるほど。みんなそれぞれ音楽性は違っても、このバンドに入って一緒にやっていることで、様々な影響受け合っているんですね。

土田(Ba):今年、レコーディングやPV撮影などで、お互い裸でぶつかるような機会があって、そのおかげで今は色々なものを共有できて、お互い信頼して尊敬しあって。今の荒川はいい感じです! バンドの絆も強くなりました。

—今後の荒川ケンタウロスの活動について、教えてください。

楠本(Gu):リリースを終えて、僕たちは12月3日に、自分たちが初めて主催するイベントをやるんです。僕らの数少ない友達のボヤケルズ、長尾先生が参加している武蔵野コード進行研究会、そして竹内電気の出演となっているので、とっても楽しいと思います。今後も荒川ケンタウロスを宜しくお願いします。

彼らが放つ、色褪せない普遍的な魅力を持つ音楽は、聴く者を心地良く温かく包み込む。歩みを始めたばかりの荒川ケンタウロスに、そして長尾謙一郎氏との奇跡のコラボレーションによって生まれたPVの不可思議な世界観にもご注目あれ!

荒川ケンタウロス


荒川ケンタウロスの楽曲は下記ウィジェットからも試聴・DLする事が可能です。



荒川ケンタウロス:http://www.vibirth.com/artist_detail/arakawakentauros

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