viBirth Artist Interview♯020『てらりすと』

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2009年“実在しないミュージカルのサントラを作りたい”という願望のもと“妄想ミュージカル楽団”てらりすとが始動した。メンバーは、ミュージカル・舞台・TVなど多彩に活躍する新良エツ子と、舞台音楽を中心に映画・CM・TVなど幅広く楽曲提供を行う作曲/編曲家・和田俊輔。てらりすとの楽曲は、オペラ・デスメタル・ロック・アキバ系・J-POPなど様々なエッセンスを飲み込み、すべてミュージカル仕立てに展開される。作詞/台詞を担当するボーカル・新良エツ子のディープな妄想が大爆発し、和田俊輔の卓越した作曲/編曲センスによってクオリティの高いスペクタクルな楽曲へと昇華。個性の違うふたりの化学反応によって、マニアック×ポピュラリティが奇跡的に融合した“妄想ミュージカル”は、今後ますます注目を集めるはず!
●おふたりともこれまで様々な活動をされていますね。新良さんは大阪芸術大学のミュージカルコースを卒業されたそうですが、もともと演劇には興味があったんですか? 新良:実は、ミュージカルをやりたくて大学に入ったんじゃないんですよ(笑)。小さい頃からずっとバレエとピアノをやってたんですけど、お母さんから「こういう大学でミュージカルをやってみたら?」って言われて。全然興味なかったけど、その大学に「忍術研究会」っていうのがあるのを知って、じゃぁ行こうと思って(笑)。 ●本当は忍術がやりたかったんですね…(笑)。 新良:でも、忍術研究会がちょっとイメージと違ったので、劇団に入ったほうがいいかなって思って…(笑)。私、ミュージカルの歌は「声楽」ってイメージがあったから、自分には無理だと思ってたんですよ。だけど、ミュージカルにはクラシックだけじゃなくて、ジャズミュージカルとかロックとかもあることを知って。そこで出会ったジャズの先生が「カラオケみたいに歌えばいいんや!」って言ってくれたんです。それで普通に歌ってみたら、先生が「あんた、そっちのほうが絶対ええで!」って言ってくれて。目から鱗でしたね。そこからミュージカルが好きになったんですよ。 ●もともと歌うことが好きだった? 新良:小さい頃からカラオケがすごく好きで、いろんな人の真似をしてました。広瀬香美さんの曲を音程上げて高音で歌ってたり(笑)。それでみんなに「えっちゃん、4個もシャープ上げるの!?」って言われるのがすごく楽しくて(笑)。 ●(笑)。劇団「兎町十三番地」では看板女優だったんですよね。 新良:その劇団は去年解散しちゃったんですけど“エツ子の歌推しの芝居にしよう”って感じで、私が各シーンのテーマソングを歌ってたりしてました。ミュージカルではなかったんですけどね。 ●その願望が、てらりすとへと繋がってくるんですね。作曲を担当されている和田さんは、もともと「デス電所」という劇団の旗揚げに参加されていて、そこで楽曲提供を行っていたことから作曲家として活動を始めたんですよね。 和田:僕は近畿大学の芸術学科で演劇を勉強していたんですけど、在学中に劇団を立ち上げたんですね。映像も音楽も衣装もすべて自分たちでプロフェッショナルにやっていきたい、という理想があって。そこで僕は音楽をやることになって、曲を書いてみたら結構楽しくて。歌手が歌うような曲を作るよりも、何かしら映像なりお話があって、そこに乗せる劇伴を書くほうがワクワクしたんです。何か物語があることによって、自分が作った曲のイメージが何倍にも膨らんでいくのが楽しくて。 ●それから劇団だけじゃなく、映画やCMなど多方面で楽曲提供をされるようになったんですよね。そんなおふたりがどのように、てらりすとの活動をスタートさせたんですか? 和田:小劇場の世界ってすごく狭くて、横の繋がりがすぐ出来るんですよ。だから関西にいる頃から遠い知り合いではあったんです。それで、新良が前にいた劇団から僕に楽曲提供の話がきて1曲書いて。そのときに“新良エツ子、面白いな”と思いまして。それで、てらりすとという媒体がないときに「因果応報」という曲を作ってみたんですね。 ●「因果応報」で手応えを感じたことがきっかけだったんですね。和田さんは楽曲提供とは別の音楽活動もやってみたいという気持ちもあったんですか? 和田:僕個人としては、物語とか舞台に曲をつけるのがすごく楽しくてやってるんですけど、それとは別に、音楽だけで勝負出来ないかなっていう気持ちも強くなってたんです。でも、ここでお洒落なR&Bとかヒップホップをやるのは、自分にとってリアルではないし、そういう作曲家さんはたくさんいるので。てらりすとは、自分が今まで培ってきた技術で音楽をやりたいっていう願望にピタッとハマったんですね。新良が持ってくる歌詞の世界観とお芝居畑で培ってきたものが、そのまま曲で表現出来るんじゃないかな、と。それで“妄想ミュージカル楽団”として、てらりすとの活動をスタートさせたんです。 ●てらりすとは、和田さんの活動においてはどういう位置付けだったりしますか? 和田:楽曲提供に関しては、もちろん自分のオリジナリティは出しますけど、クライアントありきなので。だから自分としてはこの10年くらいの活動のなかで、初めてのオリジナルの世界なんですよ。厳密に言うと二人発信なんですけど、自分発信の音楽というのは初めてですね。 ●「因果応報」は新良さんの歌詞から曲を構築したそうですが、他の曲はどうですか? てらりすとの面白い楽曲がどんなふうに出来ていくのかが気になります。 和田:基本は歌詞先行ですね。僕が面白いなって思うのは、新良はAメロ、Bメロがあって、ここがサビ…っていう書き方をしないんですよ。 ●結構、自由な感じですか? 和田:はい。でも本人のなかには、ここはこういう感じ、というイメージはあるんですけど、そういう不規則な書き方だから曲を作るほうも楽しいんですよ。 ●歌詞の言葉数も多いし、曲展開もプログレ的で複雑なので、歌詞と曲のどっちが先でも楽曲を構築していくのって難しいのかなって思ったんですが。 和田:ふたりともタイプが全然違うんですけど、ひとつ共通点があって、飽きっぽいところなんですよ(笑)。曲のなかで同じものが繰り返されるとつまらないなって思うんです。例えばミュージカルだったら、2時間なら2時間のなかでいろんな曲があるじゃないですか。“妄想ミュージカル楽団”と銘打ったからには、1曲のなかにもプログレ的な展開を付けて成立させたいなって思っていて。 ●そこに楽しみを見出してるふたりだからこそ、展開の激しいシアトリカルな曲が生まれてくるんですね。さきほど、ふたりともタイプが全然違うとおっしゃってましたが、こうして話を聞いてるだけでもわかります…(笑)。 和田:好みは全く合わないです(笑)。 ●そんなふたりの化学反応によって面白いものが生まれてくるんですね。 新良:たぶん私だけだと、マイナーでオタクな方向へどんどん行ってしまうと思います(笑)。音楽はアニソンばっかり聴いてて、しかも声が強い人が好きなので、声しか聴いてない(笑)。中学生の頃はビジュアル系とかも好きで、ライブもめっちゃ行ってました。自分の世界を持ってるというか…“これ、どうなんだろう?”っていう格好を自信満々にしてるのが逆にかっこ良く感じて。 ●昨年12月にリリースされた初音源『そうそううつうつしてらんない』は、1枚の作品のなかで、それこそビジュアル系っぽい曲もあり、オタク的要素も存分にあって、かと思えば美しい歌声で織り成すオペラ調の楽曲もあり…と様々なエッセンスが詰まっていますね。和田さんの音楽的ルーツは深くて広いのかなって思ったんですが…。 和田:僕は普通にCDTVのトップ40とかヒットチャートの曲が好きなんですよ(笑)。あまり言いたくないんですけど、ルーツはとんでもなく浅いと思います。いつも言うとガッカリされるので言いたくないんですけどね…(笑)。でも、僕が個人的に思うのは、ミュージシャンは自分の世界を深く掘り下げていくタイプと、どんなジャンルでも音楽をすごく好きっていう…大きく言うと2タイプに分かれるかなと思ってまして。僕はどんなジャンルでも好きなんです。好きだなって思って聴いているうちに何となく入ってくるんですよね。だから、ちゃんと食べて自分のものとして消化出来ているんだと思います。なので、意識して何かを深く聴いたりしてるわけじゃないんですよね。 ●逆にそれでここまで緻密な音作りが出来ているのは素晴らしい。それにオタクっぽいディープな世界観が好きな人はもちろん、そうじゃないリスナーも虜に出来る音楽だと思ったんですよ。例えば純粋に世界観が面白いとか、声が良いとか…、口ずさみたくなるメロディも大きいと思いますし。 和田:それはすごく嬉しいですね。てらりすとで目指しているのは、こういった情報量の多さとかではなくて、最終的にはすごくシンプルなところなんですよ。マニアックなことを大衆的にしたいんです。そうじゃないと、新良と和田が組んでる意味もないですしね。 ●ふたりの化学反応で生まれるマニアックさと大衆性。そこはてらりすとの大きな特徴ですね。歌詞はすべて新良さんが書かれてますが、脚本を書くような感覚に近いんでしょうか? 新良:脚本は書いたことないんですけど、ブログを書いてる感覚に近いかもしれないですね。私、ブログは面白く書きたいという願望が強いんですね。頭おかしそうな言葉の羅列とかも好きで(笑)。ただ、新良エツ子っていうよりも、新良エツ子が何人かを演じているっていう感覚で。じゃぁ、今日はこっちのキャラで書いてみよう!みたいな。 ●『そうそううつうつしてらんない』でも1曲1曲のキャラクターが違いますし、1曲のなかでも違う登場人物が出てきたり、または同じ登場人物でも感情によって声が変ってくるので、それをすべて歌い分けているのがすごいなぁと思いました。 新良:この音源に関しては曲毎に書いたので、全曲が1本のお話になってないんですね。でも、2月26日のワンマンライブは「人デナシノ唄」っていうタイトルで、ひとりミュージカルをやろうと思ってるんです。ひとつのストーリーのなかで、いろんなキャラクターが出てきて、それをすべて私が歌でやっていこうと。今、結構苦戦しながら書いてます。ミュージカルみたいに台詞っぽい感じにするのか、テーマソングっぽく普通の歌にするのかとか、歌詞だけじゃなくて、衣装のことも考えながら書いてるんですよ。 ●1本の物語をライブ形式でひとりで舞台化するとは、新しい試みですね。 新良:早くやりたいですね。衣装にもこだわってて、コスプレ的要素もあるので、楽しみにしていて下さい! ●さて、初音源がリリースされて約1ヶ月が経ちますが、改めてどんな作品に仕上がったと思いますか? 新良:一言で言うと“新良エツ子・和田俊輔祭ワッショイ!”って感じです(笑)。でもまだ“序の口ワッショイ”(笑)。本当はもっといっぱいあるけど、今日はこれくらいにしとくわ!みたいな(笑)。 ●ある意味、自信が持てたというか。 和田:そうですね。1stは名刺代わりとして作ったところがあって、「人デナシノ唄」でとりあえずの全貌は出せるかなって思ってます。てらりすとのやりたいことがだいたい詰まってるので、このライブで“妄想ミュージカル”が何なのかがわかると思います。 ●ライブも楽しみにしています! では、最後にviBirthを利用しての感想や、viBirth Mag読者にメッセージを頂ければ。 和田:いま、ブログなどにウィジェットを貼ってもらう「はりつけてらりすと」というキャンペーンをやってるんですけど、使ってくださる人がたくさんいて、viBirthはすごく戦略的に使えるツールだなって実感しています。viBirthというツールも使いつつ、Webも利用しつつ、口コミや今までの自分たちの舞台の経験も活かしつつ戦略的にやっていくと、届く方には届くという実感があったので、これからも面白い活動をしていきたいと思っています。てらりすとをさらに盛り上げていきたいと思ってますので、応援して頂ければ嬉しいです。 |
interview:細田聖子
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LIVE SCHEDULE
てらりすと、第一幕!
弦と管と鍵盤と映像と唄で綴る、復讐の物語。
てらりすとワンマンライブ 妄想ミュージカル『人デナシノ唄』
■公演:『人デナシノ唄』
■日時:2月26日(金) 18:30 open / 19:30 start
■場所:表参道FAB
■料金:前売 3,000円/当日 3,500円(別途ドリンク代)
■チケット:ぴあ(Pコード:344-731)
ローソンチケット(Lコード:70740)
てらりすと : http://www.vibirth.com/artist_detail/terarist
