December 24, 2009

viBirth Artist Interview♯019『JIMANG』

JIMANG

 千年後の匂いを嗅ぎながら今を生きる男を自称し、類まれなる個性を漂わせながら音楽活動を続けるアーティストJIMANG。今回ROCKサウンドを前面に押し出した4thアルバム『Eros』を発売するにあたり、彼のこれまでの活動やその音楽性、ニューアルバムのコンセプトなどをうかがった。

   

 

 

-どのようなきっかけで音楽を始めましたか?

  

 長崎にいた頃、友達に「ボーカルとしてLIVEに出て」と誘われたのがきっかけです。実はそれまで僕は、漫画家志望でした。LIVEをやってみると漫画と違い“これは早い!”と思いましたね。リハーサルをしてすぐ本番みたいな感じですから。しかもLIVEだとお客さんの反応がすぐに分かるので、これは向いているなと。ただそのときは、全然プロになろうとか思っていなくて、“音楽は良いな”というくらいな感じだったんですよ。そして、漫画家ではなく音楽で行こうと思ったのは、初LIVEをした3年後くらいです。ただ当時、20年くらい前ですが、長崎と東京の距離がかなりありますし、“プロになるぞ!”と決めた瞬間にバンドの中で何かが変わるんですね。楽しさとかというよりは、真面目になるので考え方が重くなるんですよ。そこでだんだんメンバーが脱落していき、僕だけが残りました。
 そしてそれから2年くらい経ったころから、東京のプロで活躍するバンドにボーカルとして潜り込みました。東京でやることの不安がありつつも、LIVEを盛り上げる自信はあったので割と上手くいっていたのですが、そのバンドが解散してしまうんです。実質2度目のバンドの解散ですから“自分でやらなきゃマズイな”と思いまして、それからギターとパソコンを手に入れて自分で曲を作り出しました。
 でも、自分で音楽を作り出して3、4年はLIVEをやってないですし、ある意味遠回りしていましたね。しかも当時は今と違って一からすべて作る。例えば、ドラムでも今みたいにサンプリングCDなどの音をポンポン放り込んで“リズム系はこれでOKだな”というのではなく、キック、スネアを入れてハイハットを刻んで、というふうに一つ一つ打ち込まなければならない。4年後くらいにやっと、デモテープを出せました。
 当時の音の方向性は、デビッド・フォスター系でした。ディストーション・ギターではなく、“ワカチコ、ワカチコ”するワウギターのAORサウンドです。ボーカル・スタイルは、ルーサー・ヴァンドロスを意識していましたが、日本語の歌詞とあまり合わずここでも遠回りしていましたね。


-ラジオ・パーソナリティとしても活動されていますが、始めるきっかけなどあったのでしょうか?

 98年くらいにネット系の仕事している知人が、ネットラジオをやりたいとなってIIL(INTERNET INDIES LABEL)が立ち上がり、そこでパーソナリティを始めました。そのときは本当に忙しかった。新曲プレビューコーナーや自作のショート・ストーリーを披露するコーナーがあったり、ゲストさんが来たりと、ラジオをやるだけで一週間が終わっていた。なので、4年くらい音楽活動はできていませんでしたが、プレビューコーナー用に毎週1曲作っていたので、今でも曲のストックがかなりあります。
 またこのラジオから今の活動につながっていくのですが、ネットラジオがきっかけでSound Horizon※に参加することになり、Sound HorizonのアルバムやLIVEにずっと出続けました。彼らがプロデビューしたので、その流れで同じレコード会社から僕もJIMANGとしてアルバムを出すに到った感じです。音の内容は今回のアルバムのようなROCKサウンドでした。

※Sound Horizon:サウンド・クリエイターRevoを中心とする音楽ユニット。

-どのようなROCKバンドに影響を受け、どのように制作しますか?

 僕はエアロスミスがずっと好きだったんですよ。あとはKUWATA BAND。サザンじゃなくてね。なんか好きだったんです。エアロスミスなんかは楽曲制作の際、今でも影響を受けていると思います。ROCKをやる時は、キャッチーじゃないといけない。そして作曲はギター一本。パソコンでループを音鳴らしながら、LIVEみたいな感じでガンガン弾いて曲を作っています。

-12月23日発売のアルバム『Eros』はどのような作品ですか?

 今回の楽曲はすべて僕が作詞作曲を担当していますが、プロデュースとアレンジは他の人にお願いしました。内容的には当然ROCKですが、洋楽を意識しています。僕のプリプロで作った曲をアレンジャーさんに渡すと、“おっ、喧嘩売っているのか(笑)”というようなガッツリとしたカッコイイ楽曲になってかえってきて、かなり楽しかったです。
 あと『Eros』というタイトルは決まっていたので、それにあわせてコンセプトを決めました。今までのアルバムのメッセージが“世界をどうしよう”という大きなものだったのですが、今回はキャッチーにしたかった。キャッチーなものってラブソングのような個人へのメッセージだったりするので、『Eros』ということでアルバムには12曲のROCKのラブソングが入っています。CDという媒体はJIMANGとお客さんとの二人の会話という部分があるので、そこを推し進めようかなと。

-特に思い入れの強いアルバム収録曲はありますか?

 「永遠のYesterday」ですね。『Eros』というアルバムがずっと聴いてもらえる理由になるような、核になる曲になると思います。アルバムを聴く1周目、2周目はあまり残らなかったりする楽曲だと思うんですが、聴き始めて、ちょっとハマッて、ちょっと忘れてとなって、もう一回iPodかなんかでランダムで聴いたときに“エッ、この曲良くない!?”みたいな。そこから『Eros』に戻るような。3連のバラードの曲なんですけれど、いろんなジャンルを超えたところで聴いてもらえるのかな。

-アルバム収録曲の「桜POP」はオンラインRPG「メイプルストーリー」テーマソングですが、なにか特別なことを意識しましたか?

 少し他の楽曲と毛色が違うので、入れないほうが良いかと思っていました。可愛い感じの曲ですし“これは歌い切れない…”時期尚早みたいな。そうしたら、「メイプルストーリー」のテーマソングに決まったので、頑張ってやり切りました。レコード会社の担当さんが凄く気に入ってくれて、推してくれたのだと思います。ただゲームのテーマソングなので、歌詞を少し変えて男っぽさを弱くしました。
 あとこの曲は、秋元康さん原作の映画『象の背中』の世界観がそのままなので、映画を見ていただけるとより曲の理解が深まると思います。秋元康さんにもぜひ「桜POP」を聴いていただきたいですね。

-音楽活動をする上でviBirthはどのようなサービスと感じていますか?

 そこにお金が発生するというのが、凄く良いサービスと思います。お客さんにお金を払って買ってもらうというのは、すでにプロということですよね。そこでミュージシャンとしての意識が高まると思いますから。なおかつランキングが出るのは凄くありがたいですよ。公の中で自分達の音楽が評価される。しかもお金を払った人に評価される。買ってもらえると背筋が伸びる思いがすると思いますし、そこがプロとアマの違いです。人の評価があるということで、大きく違ってきますし、そこでつぶれる人もいる。viBirthは良いサイトですよね。20年前くらいからあればよかったのに(笑)。
 これがあることで東京だとか地方だとか関係なく、ネットさえつながっていればいろんなところで音楽活動ができますもんね。まあ、確かにお金がかかりますが、かなり安いと思います。僕の長崎時代なんて、東京のミュージシャンやプロデューサーと顔をつないでおくために、月に一回は往復5万円くらいの旅費を払って来ていましたもん。


-今後の活動予定をお教えください。

 1月終わりから東京、名古屋、大阪はのLIVEツアーがあります。そして、LIVEでは楽曲以上のことをするのが重要だと思っています。例えばプリンスってアルバムを聴いても良くわかんなかったりしますが、LIVEを観るとそのあとにお客さんはみんなアルバムを買うんですよ。それくらいLIVEが素晴らしいんです。僕もLIVEでの楽曲アレンジをポップに分かりやすくして、素晴らしいLIVEをするつもりです。パフォーマンスやMCも含めLIVEをすることで、アルバムとJIMANGの人となりがつながりますし、LIVEは毎回これで終わりだなというくらい本気でやっています。自分自身が、燃え尽きるような自分の最高のステージを見たいんです。あと、次のアルバムも作りつつありますので、そちらも乞うご期待!

-viBirthのアーティストやファンの方々へのメッセージをいただけますでしょうか。

 誰でも自分に生まれたという現実は変わらないと思うんですよね。自分を好きになれる、さらには自分であることが人生の最大の基本であり、頂点だと思うんですよ。そして、そういう自分の個性というものや人に言えない欲望を認めて、誰かに伝える武器として昇華することが、人生の幸せの一つの頂上だと思います。でも時として、その個性は自分の嫌な部分を含むのかもしれない。けれどそれも事実なので、それをブラッシュアップしていくことから始まるんじゃないのかな。この『Eros』というアルバムには、そういうメッセージを含んでいるので、じっくり聴いていろいろ開放してください。
 結局、自分を認めてあげないと人に優しくなれないし、自分を好きじゃないと相手を認めてあげられないんですよね。自分が好きなものに真剣に取り組むと、誰かが何かに取り組んでいる姿勢を評価できるんですよ。“あぁ、苦労しているんだなあ”とか、そこで一つの会話が生まれる。努力している人と、していない人とでは会話にならない。でも同レベルの横の人とは凄く分かり合えるし、ライバルにもなれる。やっぱり、やりたいことを自分でやり続け、努力し続けるというのは、本当に幸せなんだなと思う。その中で自分に駄目出しするのは、本当に大変なんですけどね(笑)。

 

取材・文/萬 健一郎

 

JIMANG Eros

■タイトル:Eros
■アーティスト:JIMANG
■発売日:2009年12月23日
■販売価格:3,150円
■品番:KDSD-00327
■レーベル:ティームエンタテインメント
収録曲
01.Introduction
02.That's "IRONMAN SHOW"
03.Eros
04.ハレルヤ~Bang Bang Body Line~
05.桜POP
06.綺麗
07.英雄伝
08.ROCK ON FREEDOM
09.Hi Hi MONKEY DANCE
10.Giri Giri MONSTER
11.I'm FUTURE
12.永遠のYesterday
13.Talk to you

 

 【LIVE SCHEDULE】

 ■2010年1月31日(sun)@SHIBUYA BOXX(東京)
 ■2010年2月20日(sat)@ell.FITS ALL(名古屋)
 ■2010年2月21日(sun)@THE LIVE HOUSE soma(大阪)
 追加公演
 ■2010年2月28日(sun)@原宿アストロホール(東京)
 ・チケットぴあ   0570-02-9999 Pコード:341-738
 ・ローソンチケット 0570-084-003 Lコード:74659
 ・e+(イープラス) http://eplus.jp

 

 

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