December 21, 2009
viBirth Album Pick up # 1 『An's All Stars - X-tension』

An’s All Stars(アンズオールスターズ)──とあるラジオ番組から生まれた奇跡のバンド
当時のラジオディレクターからは、女性向けのラジオ番組にして欲しいという意向だったが、音大声楽科に通っていた石川と、学生時代からバンド活動を行っていた森久保は音楽の話で意気投合し、音楽のジャムセッションのジャム、という意味と食べ物のジャムをかけて「アンズジャム」という番組名をつけ、ミュージシャンをゲストで呼ぶなど声優としての番組というより音楽番組というスタイルのラジオ番組を展開していった。 1999年4月、惜しまれつつも番組が終了する際、渋谷DeSeOにて様々なゲストを呼びライブを行った。この時のゲストの中にすでにAn’s All Starsのメンバーがおり、森久保と別のバンド仲間の宮城ヒロシがサポートメンバーになり、2000年の文化放送主催のライブでは乙部ヒロもサポートメンバーになる。ギターの左人忠相は、2000年末の声優中心のライブイベントで参加、その時のバンド名はAN'S & AN'S ALL STARS、そして2001年の日本工学院・かまた祭の初のワンマンライブでは、「AN’S ALL STARS」となっていた。 ※現在のバンド名表記は「An’s All Stars」 ヴォーカルの石川英郎は、クラシック音楽家の父を持ち、幼稚園からピアノ、小学校ではバイオリンを習うという恵まれた環境で育った。YMOなどに代表される電子音楽、洋楽やソウル・ディスコサウンド、ユーロビートなどに影響を受けながら、高校では作詞・作曲も始め、友達の家をスタジオにして音楽に明け暮れる日々を送る。高校では色んなジャンルのバンドに参加。それに並行して声楽も習い始め、大学は音大に入り「関西二期会」を将来の目標とすべく勉強していたが、後にオペラでの舞台演技を磨くべく通いだした演劇の養成所で演技の楽しさを覚え、徐々に演技の舞台に傾倒していく。 ボーカルギターの森久保祥太郎は、小学4年生の時に音楽に目覚め、マイケル・ジャクソン、カルチャークラブなどの洋楽にはまり、初めて買ったCDは「スリラー」だという。元は当時の「ドリフ大爆笑」でネタに使われていたスリラーに衝撃を受け、マイケル・ジャクソンに出会ったのだそうだ。森久保もまた恵まれた環境で育っており、自宅にはトランペット、ギターがあった。まずはギターから始めたものの、ある日ドラムに目覚め、中学からバンド活動を開始。当初はドラムか歌か、どちらかを担当しており、中学ではヘビーメタル、ハードコアなど洋楽を中心としたバンドと、当時流行っていたユニコーンなどをカバーするバンドなどもかけもちしていた。大学に入り、初めてオリジナル曲を演奏するバンドを結成し、ドラムを担当するはずが、メンバーのヴォーカルが自分よりドラムがうまかったため、あっさりドラムをやめる。この頃劇団を立ち上げ、バンド活動よりは宅録を学び作曲活動を始めるようになり、舞台のテーマソングなども手がけていた。 ギターの左人忠相は、親がベンチャーズを聴いていたり、叔父からの影響で楽器に興味を持ち、鼓笛隊のスネアから音楽人生をスタートさせている。ギターではなくドラムからスタートし、専門学校で作曲を学んでから24歳の時にギター&ヴォーカルに転向した。 宮城ヒロシは、保育園から小学3年生までピアノを続け、中学からずっとベース一筋。BOØWYやLOUDNESSなどに影響を受け、中学2年で初めてバンドを結成。ECHOESなどをカバーしながら江川ほーじん氏の影響を大きく受けた。 ドラムの乙部ヒロは、ドラムを始めたのはかなり遅く、高校二年生の時に文化祭で叩くことになったのがきっかけだった。以後バンド渡り鳥的な形で色んなバンドをかたっぱしから掛け持って独学で修業、山根麻衣のバックバンドとしてプロの道へ。主にLED ZEPPELINを初めとするハードロックから影響を受け、今はいろんな音楽を奏でるセッションドラマーとしても活動している。 そんなAn’s All Starsの活動は、マイペースながらも着実に続けられている。 1枚目のアルバムは、「これを記念に出して終わろう」という気持ちで作られた、メンバーいわく「奇跡のアルバム」。その後もバンド活動が順調に進み、オリジナル楽曲も増えだした頃、「エンターテイメント」をテーマに2枚目のアルバムが完成した。 そして、今回の3枚目のアルバム「X-tension」が制作されることとなったのだが、10周年だからシンプルに作ろう、と言ってから思いのほか長く時間のかかったアルバムとなった。 制作期間は約1年、今まで揉めた事のないメンバー同士の意見が分かれぶつかり合い、レコーディングも難航した。先に発売したライブDVD「Virgin? Live Tour 2008 〜Welcome to An's HOSPITAL〜」を超えるインパクトをどう出すか─。これがAn’sの大きな課題となった1枚だった。DVDに収録されている楽曲を、アルバムでどう新鮮に聴かせるか、先の見えないトンネルをずっと進んでいるようだったと言うが、バンド自身を見つめ直し、出したい音を確認したことでパワーアップした An’s All Starsの音が凝縮された1枚になったのである。 An’s All Starsを、絶対に「声優2人がやっているバンド」などと思うことなかれ。彼らは真剣に音楽に取り組み、バンドマンとして音楽活動をしているのである。そんなAn’s All Starsを、viBirthでは今後も応援していきたい。 An’s All Starsが出したいと思う音が詰まった10周年にふさわしい渾身の1枚
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