viBirth Artist Interview♯013『ShiinaTactix』

今回のインタビューは、TWO-MIXのプロデューサー&メンバーであり、ShiinaTactixとしても活躍する永野椎菜だ。TWO-MIXでは「新機動戦記ガンダムW」、「名探偵コナン」のなどの主題歌を担当しビックセースルを記録したが、今回6年ぶりにTWO-MIXとして、シングル『LIGHTNING EVOLUTION / I'M YOURS』をリリースする。彼のこれまでの活動や今後の展開のほか、viBirthを始めとするサービスをアーティストとしてどのように活用しているのかをうかがった。
■音楽を作ることにまったく興味がなかった!?
──小さい頃から音楽が好きだったでしょうか?
永野椎菜(以下 永野):親が教師だった関係もあり、家の中でいつもメジャーな聴きやすいクラシック音楽がかかっていましたね。あとは、姉もそうですが僕も小さい頃少しだけピアノをやっていたので、小さい頃から音楽と楽器がある中で生活していたと思います。中学時代は洋楽・邦楽問わず、80年代のFMラジオのヒットチャート楽曲をチェックしていましたが、ビートルズも聴いていれば、テクノやダンスものも聴いていて特に何かに傾倒したというのはなかった。ホントに普通にリスナーとして音楽を楽しんでいましたね。その当時、周りでバンドをやっている人なんかもいたのですが、僕はそういうことはなくて、普通に生活していましたし、むしろ、音楽を作ることにはまったく興味がありませんでした。
作るということに興味を持ったのは、機材が一気に発達して、シーケンサーと呼ばれる、現在パソコンでやるようなことができる機材が出てきてから。音を機材に打ち込んでいくこと(プログラミングしていくこと)で、一人で音楽を作れるようになってからですね。それまではバンドというチームを組まなければ、できなかったのですから…。それが二十歳とかそれくらいでした。ただそれも完全に趣味としてです。
■作詞からプロの音楽の世界へ
──ではどのように音楽の世界へ入っていったのですか?
永野:実際に仕事として音楽に関わり出すのは、作詞からでしたね。当時モデルの仕事をしていたのですが、所属していた事務所に作った詩をよく持っていっていました。当然最初はまったく相手にされなかったのですが、何度も何度も持っていくうちに、レコード会社の人が見ることになって、“ちょっと来い!”という話になり、ブレイクする前の永井真理子さんを紹介されました。彼女の楽曲制作チームに入ることになったんです。そこから少しずつ、音楽で食べて行けるようになり出しました。
ただ作曲ということに関して言えば、作詞とはまったく別で、趣味として考えていたのですが、のちに一緒にTWO-MIXをやることになる高山みなみ(※)さんと出会って、打ち込みを教えたり一緒にオリジナル楽曲制作をするというのから始まっていきました。まだ彼女が、声優の養成所に通っている頃のことですが、でもそこがプロの作曲家にシフトし始めた地点と言えると思います。
数年経って彼女の曲を聴かせてもらったときに、“いける!”という確信を持ちました。ずっと音楽を聴いてきて良い音楽に対する嗅覚に自信がありましたし、彼女の楽曲が普通より図抜けたところに来ているという感覚があった。ライブなどを地道にやっていくなかで、お客さんも少しずつ増え始めてたのですが、“これをこのまま繰り返してもしょうがない”というのも感じていたので、本格的な楽曲を作って勝負することにしました。結果的には、それがレコード会社の目に止まってTWO-MIXのデビューのきっかけとなったんです。
だから、よく「小さい頃から音楽が好きなんですか?」とか聴かれるのですが、“成り行き”です(笑)。高山さんに出会っていなければ、そこまで作曲に興味は出なかったでしょうし、彼女の才能に引っ張られる感じで音楽の深みにはまっていきました。
※…TWO-MIXのボーカル、声優。声優としての代表作に「名探偵コナン」の江戸川コナン、「魔女の宅急便」のキキ、ウルスラ、「ミスター味っ子」の味吉陽一などがある。
■細かい理論は作品のスケールが小さくする
──その当時、具体的に作曲理論を勉強したりしていたのですか?
永野:ないですね。感覚のみです。高山さんも同じで、感覚だけ。実は彼女も小さい頃から、クラシックをずっと聴いていたので、感覚的には近いものがあったのかもしれません。当時、制作していると、スタッフさんにコードの間違いを指摘されることもありました。ただ、そこは修正すれば良いだけですが、センスの部分はそうはいかないですよね。そのあたりはスタッフさんも分かっているので、気にしないでどんどん作ったほうが良いと言われていました。理論とかボーカル録音時のディレクションもそうですが、そういうのを細かくやっていくと作品がどんどん小さくなっていってしまう。
TWO-MIXの場合、僕がサポートをしつつも基本的には高山さんがメロディを作り、作詞は僕が担当していました。ちょうどお互いに補い合うような感じで、制作に取り組んでいたと思います。
──アレンジに関してはいかがですか?
永野:TWO-MIXの時は、メロディと基本的なリズムができてから、二人で音を足していきましたが、一人で作るようになってからは、リズムを組んで一通りメロディも乗っけて、アレンジのイメージが全部出来上がった段階で、コードなどをつけ始めます。“音を空中に置く”といった感じでサウンドを空間的にイメージしていて、パーツをひとつずつ組み込んでいく感覚に近い。レゴブロックを組み立てるような感じかな。
──それは自分の中のイメージを自分でコピーしていくような感じなのでしょうね。ミキシングも含めてという感じですよね?
永野:そうです。頭の中でバランスを取りながらですね。昔の機材だと大きなミキサーが必要だったのですが、今はパソコン内のソフトウェアだけでできるので、スタジオに入る前にほとんどの音が出来上がっています。どちらにしろ、最初のイメージが一番大事なのは変わりませんが。
■今から音楽を始める人が羨ましい…
──TWO-MIXを2003年に休止してからは、どのような活動をされていましたか?
永野:その当時、僕は作曲を本格的にやってみたいなと思っていたので、ずっとデモを作ったりしていました。メジャーなレコード・レーベルも大好きなのですが、楽曲を自由に自分のペースで発表できる場が欲しいと思っていたので、インディーズとして活動しながら自分の作曲やアレンジを見つめなおすことにしたんです。それが3年くらい続きましたね。
あとその当時から、音楽のネット配信などの環境も整ってきていましたし、去年からはちょうどviBirthもスタートして、僕にとっては凄くちょうど良かった。インディーズとして活動できる基盤が揃ってきたので、“これはきっとそういう運命なんだ”と思いましたね(笑)。始まってすぐに申し込みましたから。
だから、去年くらいからは作ったものをとりあえず、ネットで販売してみようという感じでした。それがきっかけでメジャーから誘いが来ればそれも良いし、何より作ったものを発表できる場があるのは凄く良いことですよね。そして今回、あらためて高山さんに声をかけて歌って貰うことになり、TWO-MIXの限定生産シングルCD『LIGHTNING EVOLUTION / I'M YOURS』が出来ました。CDは8月20日発売予定ですが、viBirthなどではすでにダウンロード販売を開始しています。
じつは最初、僕の公式サイトであるShiinaTactixのサイトだけで販売しようと思っていたのですが、viBirthのサイトが凄くしっかりしているし、広がりもあって僕を知らない人からもアクセスがあると思ったので、こちらからも販売することにしました。viBirthを見てみるとインディーズのアーティストの多さに驚かされますし、面白いことをやっていける環境が整えられていると思います。まさに今の時代だからこそですね。今から音楽を始める人が羨ましいです(笑)。
──MySpaceでも活動をされていますが、さまざまなジャンルのアーティストと交流がありますね。
永野:MySpaceには、日本語の歌しか乗せていないのですが、海外のアーティストさんにも興味を持ってもらえているみたいで、中には何十万人というファンを抱えている方もいらっしゃいます。そういう方々からフレンド申請が来るので、どういう経緯で僕のところにたどりつくのだろう…と。前なんか、HipHopの凄くマッチョな感じの方から申請が来て、彼のWebサイトなんかをみると凄くワルな感じなんですよ(笑)。音楽性もまったく違うし、何に触発されたのかと思いましたが、ネットの広がりって凄く面白いですよね。
■viBirthの進化に合わせて活動が広がる!
──話は戻りますが、発売されるシングル『LIGHTNING EVOLUTION / I'M YOURS』は、どのような位置付けの楽曲ですか?
永野:1曲目の「LIGHTNING EVOLUTION」は、これぞTWO-MIXという感じのある意味コテコテの楽曲です。2曲目の「I'M YOURS」はいろいろな要素が入っていて、今後のTWO-MIXの音楽性の広がりを予見させるような楽曲になっていると思います。実は、このシングルのあとTWO-MIXは正式に活動休止となるので、節目となるような2曲を入れています。
──今後の活動はどのようなものになるのでしょうか?
永野:TWO-MIXは休止になりますが、僕のShiinaTactixとしての活動は続いていきます。当面はデモ制作ということになるでしょう。いろいろなアーティストともコラボした楽曲などを、定期的に出していきたいですね。
とりあえずこの4年間くらいで考えてきたことが、viBirthやほかのネットの環境などでやっと形になってきたので、次のステップとして、それをもう少し広く展開させていくことを考えていきたいと思っています。せっかくviBirthもどんどん進化してきているので、それに合わせて僕自身の活動も広げていきたいですね。
──ファンの方へのメッセージをお願いします。
永野:特にTWO-MIXのファンの方は、6年間お待たせいたしました。でも、また正式な形で休止してしまいますが、半年後にまたやるかもしれないという可能性もありますので、そのあたりを含めて期待していてください。楽曲を聴いたら、僕のブログなどにリアルタイムで書き込みできるので、ぜひ感想を聞かせてくださいね。
あと、初めて僕のことを知る人もいると思いますが、僕は好きなことを好きなようにやっています。何系のジャンルかと聞かれると困ってしまうのですが、楽しんで音楽を作っているので、もし気に入っていただけたら、1曲から購入できますので僕と同じように楽しんでください。どんな形であれ、興味を持っていただけるのが一番嬉しいことですね。
| viBirth Shop Widget | Artist :ShiinaTactix |
| 「私の名盤」 | Recommend Album (紹介アルバムは 上記 viBirth Shop Widgetからも購入出来ます。) |
| ■ShiinaTactixがセレクトした「私の名盤」 | |
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◆Comment ロック=本人の生き様、思想という価値観が主流だったロック音楽の中でファッション性、音楽性、曲、詞、映像、全てを綿密に計算してセレクトしリスナーにコンセプチャルな音楽作品として売ってゆくという、新しいプロデュース・ロックという価値観を成立させたロックミュージシャンのベスト盤。 当時、ロック性、社会性がないと批判もあった中で、それを覆してゆく過程や美しいメロディーラインに乗せた彼らの主張する音楽、詞は批評家を唸らせていき…今や王道の一つとなった彼らの手法は日本にも多く取り入れられたように思います。 キャッチーで分かり易くて…今も新鮮です。 |
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◆Comment キャッチーでポップでスケール感のあるロック。 『お気に召すまま』『クライング・ナウ』『セパレート・ウェィズ』『オーブン・アームズ』等今もドライブには欠かせません(笑) 名曲を集めたこのベストは聴きやすくて、耳馴染みのある曲が多くてお勧めです。ワクワクしたい時や、しっとりとロマンティックに浸りたい時に一層気分を拡大させてくれるキャッチーな演出曲として…どうぞ!!! |
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◆Comment MTV等の流行で音楽が映像とリンクして新しい時代に入った80年代… 音楽機材も飛躍的に進化して色んなジャンルが生まれ、そこで色んな試みが見られました。その中でメロディーだけではなく、音色や、アレンジを含めたコンセプトの見せ方などとても画期的だったのが、80年にブレイクしたこのBugglesです。 目新しさだけに目を奪われがちだった80年代に、70年代ポップスの持つしっかりと綺麗な旋律も奏でていてキャッチーです。今聴くと全体的にチープさは否めませんが、作り手側のやりたい事が明確に打ち出されていて潔くて好きです。 時代を感じさせる音楽、感じさせない音楽、どちらも大切ですが、シンプルなメロディーラインの美しさはいつの時代も共通する魅力です。 80年という新時代の扉を開いた音楽性は今や当然となったデジタル機器の日常の中で作られる現代のポップスに繋がる歴史を感じさせます。 |
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