July 23, 2009

viBirth Artist Interview♯011『竹本健一』

竹本健一

2003年にスリーピース・バンド「PHONES」のメンバーとして、圧倒的な存在感を放ったシンガーソングライター=竹本健一。5年間のバンド活動を一旦ストップさせ、数々のメジャー主要アーティストに楽曲提供を行い、また、ソウル~レゲエ~ロックといったフィールドを自在に行き来しながら自身の活動の核となる楽曲制作を行い、満を持して2009年5月17日にグループ休止後ソロ第一弾作品『Self Portrait』を発表した。竹本健一自身が持っている音楽的源流をはじめ、現在地、そしてメジャー・レーベル在籍中に自身の音楽が世に広まる様を見ていたからこそ見出せるインディーズ・ミュージックの真髄、そしてmy space~viBirthとの出会いや可能性について伺ってみた。

──生まれは1977年大阪府出身ということですが。

竹本:はい。東淀川区っていうところなんですけど。

──ご自身のキャリアにものすごくブラック・ミュージックの影響を与えてらっしゃると思ったんですけど。それは小さい頃からそういう楽曲に慣れ親しんでこられたんでしょうか?

竹本:そうですね。ラジオやTVから発信された音楽には、その都度影響を受けてきたかもしれないですね。

──ちなみに一番最初に触れた音楽で影響を受けた音楽ってなんですか?

竹本:えーっと・・・。風見しんごの「涙のtake a chance」・・・かなぁ(笑)。

──おぉ(笑)!

竹本:今思うと、ブラック・ミュージックの欠片もないんですけどね(笑)。う~ん、純然たるサウンドでいえばbabyfaceかな?ものすごく衝撃を受けた。

──うっかり、その後MCハマーとか俗な方向性に走るということは・・・(笑)?

竹本:無かったですね(笑)。そこから時代性を反映・象徴するようなブラック・ミュージックを聴き漁ったりして。ニュー・クラシック・ソウルがバカ売れした時代だったし。ということで、80‘s、そして70’sのソウル・ミュージックに遡って聴いてましたね。

──70‘sのソウル・ミュージックだと、どの辺を主に聴いていました??

竹本:ザ・スタイリスティックス周辺かなぁ。

──フィラデルフィアかぁ。なるほどなぁ。

竹本:え?何か引っかかりました??

──いや、今回発表された竹本さんの作品『Self Portrait』にその片鱗を僕なりに感じたんですよね。スウィート・ソウルであったり、歌詞の要所に散りばめられたクラシック・ソウルっぽい「愛」の表現であったり。

竹本:あんまり、そういう意識はしてなかった。当然ルーツとしてそういったブラック・ミュージックの影響は無視できないですけど、僕は大義のポップ・ミュージックというアプローチで作ったんですけどね。

──今回リリースされた初のソロ作品は『Self Portrait』という、いわば“自画像”というタイトルを名付けたのは、そういった音楽人として単にルーツ・ミュージックへのオマージュに挑んだとばかり思っていました。

竹本:あー。なるほど。

──メジャー・レーベル独立後ソロ第一弾ということで、自己紹介”や“名刺がわり”な意味合いで自身の名前やユニット名、ルーツを用いたサウンド・コンセプトなど冠として表に出されるアーティストは少なくないです。ただ、この作品を聴いていて、描写や作りこみはものすごく理知的なんだけど、欲や本能的な匂いも見え隠れしますね。

竹本:う~ん・・・、あんまりこういうことを言っていいのかわからないけど、その時々、自分がどういう風に表現できているかわからなくなる瞬間があるんです。大学に入ってすぐに母親をなくしたんですが、それ以降、鏡のような存在というか、なんだか本当の自分っていうものを確認する相手がいなくなったみたいで、自分自身の中で自分らしさというものがものすごくぼやけてるなぁという気がしてたんです。音楽に関しては、ソロ活動に移行してから、やはり自分らしさが必要になる中で自分らしさにすごく慎重で、自信がなかったんですね。そんな折、結婚をして。何かを思ったり、行動したりするとき、妻と会話を重ねたりして、今の自分の現在地を確認していった、或いは確認をしたかったんですね。そこに精神的なゆとりや冷静さと本能的な部分が見え隠れしているんじゃないでしょうか。

──なるほど。案に「ソロ一発目だから、改めて自己紹介をかましとこう!」みたいな、ある種の“前のめり感”や“煽り”よりも、もっとそういった深く、大きな出来事や変化を経験して、歩き出すきっかけを得たかったのでしょうか?

竹本:そうかもしれない。音楽面で言えば、他のアーティスト(鈴木雅之Crystal Kay中島美嘉など)への楽曲提供も、もちろんこれも僕のパーソナルな部分から生まれたわけだし、JAMバンド=JAMNUTSReggae Disco Rockersといったコラボレーション、そしていろんな作品へのゲスト参加という側面も自己紹介という点でまだ集約して発信は出来ていないと思っています。いまは、ちょうど吉井和哉さん(ex.The Yellow Monkey)のツアーメンバーとして全国を回っている最中なんですけど(※)、こういうところで得た成果や実感は次の作品で何らかの効果を反映させることができると思う。
※現在はツアー終了

──吉井さんといえば、ちょっと(ノリが)縦な感じもありますけど。

竹本:そうなんですけど、ロック的なフィーリングやリズム感っていうのもまた新鮮で刺激を受けますよね。ポップ・ミュージックという言葉は、可能性というと解釈を膨らませることも出来る。そこに挑戦していきたいという想いはあるかもしれません。

──viBirthについて伺います。このサービスの魅力って、竹本さんご自身、どの辺に感じられますか?

竹本:「セルフ・マネージメント」という言葉にその魅力を集約できるのではないでしょうか。ソロになって、my spaceを軸に作品のアップデートや活動報告、プロモーションなどを常時行ってきました。自分の立てた計画によって、売り方や見せ方が大きく左右される。楽曲を上げたいときにいつでも上げられて、尚且つ販売価格も作り手である僕自身で決めることが出来る点など、その魅力や可能性はここにものすごく秘められている。まさに、自己管理能力が要求されると思いますね。

──一度、メジャー・レーベルとの契約をし、その中で音楽ビジネスの流れも経験されています。いま、ご自身でやりくりする大変さって当然ありますよね?

竹本:まさに、そうですね。危うく同日スケジュールでダブル・ブッキングしちゃいそうになることとかありますよ(笑)。メジャーの時は、本当に多くのスタッフに囲まれて管理やセールスを行ってくれていました。ただ、今はこの部分も全て自分で行わなければならない。大変ですけど、自己責任のもと自由に出来る喜びはありますよね。

──楽曲制作は、即時に利益を得ることはできない。生業として、様々な活動をされながら日々の生活を進めていくこととのバランスは、非常に大変だと思います。

竹本:だから、打ち上げは早めに切り上げます(笑)。美味しいお酒は飲みたいですけどね(笑)。ただ、作りたいものが次々生まれてくるので、これを早く形にして、披露したいんですよね。加えて、セルフ・プロモーションが肝心かなと思います。各種webツールを生かしたプロモーションはそのまま自分のサイトへ誘導できるので、viBirthは個人的に相性がいいと思っています。

──なるほど。7月25日(土)に、渋谷PLUG(http://www.shibuya-plug.tv/)でワンマン・ライブを行うんですよね?これは、アコースティック編成なんですか?

竹本:いや、バンドでやります。楽曲制作自体は打ち込みでやっているので、時としてアコースティックの編成で臨まなければならないこともあるんですけど、実はアコースティック・ライブって個人的にはあまり好きな方ではなくて。ただ今回はバンド編成、それも僕の大好きなドラマー=村上広樹さんや、ベースの山田マンさんといった面々も参加して下さるんです。最近のR&Bやソウル・ミュージックって打ち込みで作った楽曲を、ライブでは生で披露しますよね。あの感じ、僕はすごく好きなんです。あの感覚を今回のワンマン・ライブでやれるだけで、テンションが上がりますよ。

──ライブの構成楽曲は、本作を中心に?

竹本:そうですね。アルバム『Self Portrait』の楽曲をもとに、構成していきます。あとはストックの楽曲もたくさんあるので、それを織り交ぜながらっていう感じなんですけど。アイデアがいくつもあって、まだ今日現在では(取材時は7月上旬)構成を決めかねてますけど(笑)。他のスケジュールも重なって、本当に時間が足らないくらいですけど、最高のライブを届けられたらと思います。



viBirth Shop Widget Artist :竹本健一


「私の名盤」 Recommend Album (紹介アルバムは 上記 viBirth Shop Widgetからも購入出来ます。)
■竹本健一がセレクトした「私の名盤」

Feist
Title : The Reminder
Artist :
Feist
品番 : UICY-60081
レーベル : USMジャパン
◆Comment
この声とこの空気感にやられました。部屋の窓開けて日曜の午後に聴くと風の声も街の騒音もいい感じのSEに聞こえます。

Lauryn Hill
Title : The Miseducation Of Lauryn Hill
Artist :
Lauryn Hill
品番 : SICP-1391/2
レーベル : ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
◆Comment
大学生の頃に死ぬほど聴いてたなぁ。リリースされてからもう10年以上も前になってしまうんですね。まったく古さを感じさせない。
数少ないリアルタイムに出会えた名盤中の名盤。

Marvin Gaye
Title : What's Going On
Artist :
Marvin Gaye
品番 : UICY-9788
レーベル : ユニバーサル インターナショナル
◆Comment
この統一感最高です。
「Mercy Mercy Me (The Ecology)」という曲では1971年の時点ですでに環境問題について歌っている。

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