viBirth Artist Interview♯009『TINGARA』

映画『地球交響曲』のテーマソング提供などアートと融合させた高いクオリティーの楽曲を発表し続け、最近では映像作品も手掛けるTINGARA! そうそうたるキャリアをお持ちの米盛つぐみさんとイシジマ ヒデオさんのお二人。少し緊張しつつインタビューに試みましたが、とても気さくに興味深いお話を聞かせて頂きました。
──TINGARAのメンバー紹介をお願いします。
米盛:ヴォーカルと作詞作曲を担当しています『米盛つぐみ』です。沖縄の言葉と音階を取り入れて楽曲制作をしています。
イシジマ:サウンドプロディースを担当しています『イシジマヒデオ』です。もともとTINGARAは3人から始めたのですけど今は2人で活動しています。
──TINGARAを結成したきっかけを教えて頂けますか?
イシジマ:名嘉睦稔という沖縄の版画家アーティストの展覧会で出会って、お互いに彼の作品に共感していて、彼の展覧会のBGMをプロディースするお話が結成するきっかけです。
その後にプロディースを担当した彼の展覧会で流したTINGARAのBGMがビクターのディレクターの耳に留まったというところが今の活動の始まりですね。もともとはアート関係の仕事をしていたので音楽家としての活動を並行していくのは難しいと思っていたのですが、とても熱心にお誘い頂いていたので、じゃあやってみようかってことで活動を続けベスト盤を含めアルバムを5枚リリースしました。
──結成前は各々どういった活動をされていたのですか?
イシジマ:結成する以前から彼女はりんけんバンド(沖縄の伝統楽器を使った音楽)で、僕はスタジオミュージシャンとして各々で活動していました。お互いにキャリアはあったのですが、TINGARAとして活動を始めてもう約10年ですか(笑)
──映画『地球交響曲』のシリーズでメイン•テーマ曲としてよく使われていますが、龍村仁監督とはどのようなきっかけで決まったのですか?
イシジマ:龍村監督とは、10年以上前から交流がありました。 『地球交響曲』の第四番には名嘉睦稔さんが出演していて、名嘉睦稔さんとのコラボレート曲『星ぬ子守歌』を監督が気に入ってくださったことがきっかけでした。 第五番でも沖縄が舞台になることを知って、いくつかデモをお送りしたんです。その中から『神々の時間』が使われました。
──今作「組曲 ~命の森~」はどういう経緯で制作することになったのですか?
イシジマ:これは明治神宮の宝物殿で行った展覧会(イシジマヒデオプロデュースの名嘉睦稔木版画展)のプロジェクトテーマ音楽として、展覧会で展示されるメインの 作品2点をモチーフとした組曲を創ろうと、急遽思い立って創ってしまいました。楽曲制作からマスタリングまで全部TINGARAの2人で完結出来るので、 1ヶ月くらいで作った自主制作CDなんです。
──楽曲はどういうプロセスで仕上がっていきますか?
イシジマ:まず曲の基盤を彼女が作って、そのデータを送ってもらい僕が付け足したり色々作業をしていくんですけど、ミックス作業まで含めても2人で大体1ヶ月くらいで仕上がりますね。
──音の深みや広がりを出す為にトラック数はけっこう多そうですね?
イシジマ:今作はヴォーカルが少なかったんですけど、これまでの作品ではヴォーカルトラックだけで40トラックくらい、最低でも24トラックは使いましたし、楽器はステレオで50トラックくらい重ねて録っているものもあります。それはやっぱり、音が割れてしまうほどギリギリの音量で録るより重ねて録った方が僕らの音楽には効果的なんですよね。
──「音」作りにおいて特にどんな事にこだわってますか?
イシジマ:シンプルに作ろうとはしているんですけどね、よく聴くと音が隠れているように作っているので、良いスピーカーで良いステレオで聴くと結構分かりますよ。普通のヘッドフォンなどでは聴こえないような超重低音なんかがかなり入っていて、大きい音で聴ける環境や展覧会とかで流すと、関係者やお客さんに「凄い響いてるね」って驚かれるんですよ(笑)逆に言えばアーティストにとっては悲しいことで。というのも、現代の人はヘッドフォンで聴く人が多いし、mp3といった圧縮された音質で聴いているわけですから、そのままの音質や超重低音を聴いて貰えないというか。
──そういう部分で、現代の音楽の楽しみ方に何か感じることはありますか?
イシジマ:僕らのようなオーディオ機器に凄くお金をかけていた世代はそのままの音質の良さを知っているだけに、若い世代にはそのままの音質で聴いて欲しいんです。せっかく良い音楽があるのだし、自分たちの好きなアーティストの音楽を、もっと良い音質で聴いて欲しいんです。でも最近は不景気なのでそういったスピーカーを買うことが難しいじゃないですか。贅沢なことかもしれませんが、そういう環境が整えば良いなぁと願っています。それが、きっと70年代や80年代頃のアーティストのように、楽曲だけではなく音質にもこだわったアーティストを生むことに繋がるんだと思いますしね。
──生活感を感じさせないお二人ですが、普段どのような生活をしてますか?(笑)
米盛:私は基本ひきこもりなので(笑)というのも、各々の自宅にスタジオを構えて作曲作業をしてて、最近はお互いにデータでやり取りすることが出来るのでほとんど外出する必要がないんですよ。
イシジマ:自分のご飯を買いに行く時くらいだもんね(笑)彼女は何日も籠って作業に打ち込むタイプなので、たまに引っ張り出して飲みに行くんですよ、「たまには日の光を浴びろ」みたいな感じでね(笑)
──そうしますと、ライブで表現することは好きですか?
イシジマ:なので過去に数回しかライブをやっていないんです。というのも、いくらバックトラックを流したとしても、それ以外の音を出す為のプレイヤーを揃えるだけでも10人は必要ですし、そうなるとライブを行う規模も大きくなってくるんですよね。ライブ向けにアレンジを変えて仕上げることも大変な作業ですし、それなら新曲を制作しているほうがっていう感じです。
──どういうリスナーに聴いてもらいたいですか?
イシジマ:どういうというのは特にないのですが、やっぱり若い世代に聴いてもらいたいです。特に音楽を目指しているような人に1回でも良いから真剣に聴いてって。お兄さんもお姉さんも頑張ってるんだよ、みたいな(笑)ジャンルが違っても良いものは良いんだなって気付いてくれるきっかけになれば良いなと思います。
──どのような立ち位置で音楽の活動をされているとお考えですか?
イシジマ:コード理論的な部分も突き詰めているところもあるんですが、複雑すぎてもいけないよなって心掛けていますね。
米盛:スピリチュアルな感覚が強みでもありますが、私たちの音楽が複雑に聴こえすぎないようにある程度はポップでありたいって思いますし、例えばロックが好きな人もジャズが好きな人も、私たちのような音楽を聴いて色んなジャンルを聴けるんだっていう入口になれば良いなと思うんです。
──音楽を離れると、意外な一面もお持ちのように感じるのですが?
イシジマ:そうなんです、実はPod castでradio TINGARAっていう番組をやっていて1万6千人の方々が登録してくれているんですけど、僕ら自身がおちゃらけて気楽にやっているんです。たくさんの方々に感動してもらえるような音楽を作っていますが、反面、当の本人たちは実はおちゃらけたキャラっていうギャップがあって。いつも言っているのですが、僕らがどんなにおちゃらけていても音楽に罪はないんだよって(笑)
──海外でも精力的に活動されてますね?
イシジマ:以前、ドイツのレーベルからオファーがあって、ドイツ・オーストリア・スイスでリリースしてますね。
米盛:沖縄の言葉で歌っている曲もあるので洋楽っぽく聴こえるところもあるかもしれませんね。沖縄の言葉を大切にしたいですし。
イシジマ:そういった意味では、国境もそうですがジャンルを越えたところに位置したいと思っていますので日本だけではなく海外のたくさんの人たちに聴いてもらいたいと思っております。
──今後の活動予定を聞かせてください。
イシジマ:自分たちの音楽は映像と合うのではないかなと思うので、映画監督やそういう映像アートをやっている方々に聴いて貰って使ってもらえたら嬉しいですけど、最近は自分たちのサウンドに合うと思う映像作品を自ら撮っています。たとえば星空の微速度撮影など、着々とフッテージを撮り貯めています。
米盛:その映像に対して色んな形でアプローチできるような音楽をたくさん作っていきたいと思っています。
イシジマ:なので、TINGARAファンの方たちとネットワークを結んだ微速度撮影チームが全国に広がりつつあり、音楽と映像というTINGARAの新しい世界を創っていきたいと思っています。映像を作りながら音楽を作っていくっていうのを今のスタンスにしながらこれからも活動していこうと思っています。
──本日は色んなお話をお聞きできましてありがとうございました。
米盛 & イシジマ:こちらこそ、ありがとう。
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◆Comment とうとう最高の音楽に出会えた!と感じたのが3曲目『THE FIRST CIRCLE』と出会った時でした。 |
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◆Comment 最初に出会ったPAT METHENY GROUPのレコードです。その他のミュージシャンの音楽と圧倒的に違って聴こえました。 |
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◆Comment TINGARA結成時、ストリングスの使い方などを勉強させてもらったCDです。 |
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