April 30, 2009

viBirth BEAT MONSTERのツボ。Azzurro vs Marcos Susano編

Category : beat monster, domingo

 

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毎回好評を頂いているviBirth BEAT MONSTERコンペティション。有名アーティストとのコラボレーションが実現する、その上コラボレーション作品が販売できてしまう、という夢のある企画だ。今回、最新のお題がブラジルのMarcos Suzano氏より届いたことを受けて、HIP HOPトラックメーカー Azzurroさんにサンプルremixをお願いし、制作背景についてインタビューを試みた。

Azzurroさんによるサンプルremixはこちらから試聴が可能。本当に素晴らしい出来栄えなので、今すぐチェックしよう。
是非チャレンジにあたっての参考にしてみて頂きたい。viBirthチーム一同、あなたからのアプッロードを楽しみにお待ちしております。

それでは、インタビューをはじめよう。

── まず、Marcos Suzanoさんより提供頂いた音源を一聴した印象はいかがでしたでしょう?

パッと聴いた瞬間、プリミティブでありながらも近未来感を覚えるトラックだと思いました。「近未来」というのは音の質感から受けた印象です。
実は、自分自身が追求する音世界に通じるものを感じたんです。土着的だけどフューチャリスティック、というか。
例えばLAのシーンでFuture Primitiveと銘打たれたパーティが開催されたり、Future Rootsというラジオ番組があったり、そういったものが今の自分の中で最もホットなキーワードであるので。
まぁ結果、端的に言うと、大好きなトラックでした(笑)。

──では、聴かれて制作方針を決めるまでの心境、また制作のコンセプトとしてはどのようにお考えになりましたか?

普段、自分のトラックメイキングでは大体90〜100あたりのBPMで制作しているのですが、今回のSuzanoさんのトラックも、その範囲に収まるものでした。
が、相当に細かくビートが刻まれているので、倍のBPMのように聞こえましたね。そういったクセのあるトラックを、オーセンティックなインストHIP HOPビートに落としこもうと考えました。あと、自分の中の縛りとして、今回は全く他の音源を足しませんでした。全てSuzanoさんが叩かれるパンデイロから作っています。

── え?ビート以外にも色んな音が聞こえていますが。。

冒頭から鳴っている弦楽器っぽい音も、リズムに上乗せされているSE的な音も、全てSuzanoさんのパンデイロの音を加工して作っています。

── ウワオ。

今回DAWはAbleton Live 7で作業したのですが、例えば後半のSEは、スネアにFilter Delayというプラグインをかけてディレイ成分のみを取り出し、さらにResonatorというエフェクトで音色を変えています。ディレイ成分が左右に振られるので、「音が飛ぶ」ような効果が出ます。

リズム的には割とグリッドに沿ってジャストな位置に各パーツを置いていきました。Suzanoさんの持つ人間味をあえて抑えめにして「近未来感」を強調した感じです。
(編集注釈:説明頂いた後で改めて聴くと、確かに打楽器が加工された音であることが聞き取れます。その結果ビリンバウみたいな音になっていて、「一週してブラジルに戻ってるやん!」という音色です。スゴく面白いですね。)

── 確かにインダストリアルというか、そういう作品になっています。

とは言え、単音単位まで切り刻んで切り貼りしている訳ではありませんので、ビートの頭はジャストでも2音目にはSuzanoさんの揺れが表に出て、結果グルーブしているのですが。
あとは、今回のオファーは「作例」ではあるけれども、1分半という「小品」として完結させられるよう曲としての流れも作ったつもりです。

── 今回作例をご提供頂きまして、改めてSuzanoさんのリズムで「遊ぶ」ヒントみたいなものをお聞かせ頂くことは出来ますか?

素材をリスペクトし過ぎずに、自分の創造性を追求するのが良いと思います。作り手のオリジナリティが最大限に発揮されても、音の端々にSuzanoさんらしさは間違いなく残ると思いますので。それくらい張り合い甲斐のあるリズムトラックだと思いますよ。
臆することなく、オリジナリティ追求で。

──下段にリストを掲載していますが、AZZURROさんの制作環境で特徴的なところって何なのでしょう?

極めて普通なものしか使っていないと思います。プラグインも今回はLive 7付属のものしか使っていませんし。
ただ、僕は他のアーティストのマスタリング作業を請け負うこともあるので、モニター環境には気を配っています。
大小のスピーカー2種類とヘッドフォン。この3つを駆使して各モニターの弱点を潰しています。

── 弱点を潰す。。

はい。それぞれのモニターには長所と短所があるので、複数のモニターを使うことで、お互い補完し合うような感じです。
具体的な仕上がりとしては、クラブで大音量で再生しても、iPodでイヤホン再生しても、どちらでも違和感が無いような仕上がりを目指しています。
他のアーティストの音源をマスタリングするという仕事を行っている以上、自分のトラックメイキングの時点においても最終的な音質に関しては出来るだけのことをしていますね。

──最後に、制作を完了されての感想をお願いできますでしょうか。

「リズム2小節の中にどんだけ音成分入ってんだ」と(笑)。
普段のリミックス作業では、新たに音を加えることが多いのですが、先ほども話したように、今回はSuzanoさんの提供されたパンデイロしか使いませんでした。Suzanoさんのトラックの前半と後半からそれぞれ2小節ずつ抜き出しました。素材は本当にそれだけで、何も足してないです。
結構切り刻んだのですが、でもこれだけ歌うというか、グルーブする。Suzanoが出て来る。改めて凄いプレイヤーだなと思いました。
Suzanoさんの素材トラック、iPhoneに入れて普通に聴いていますよ。スロー・ダウンした人力ミニマル・テクノみたいで、面白いです。

──ありがとうございました!!!

AZZURROさんの、この音質へのこだわりを含め、世界観構成力に定評のある緻密なDJプレイを現場でも確認してみましょう。

イベント日程等データ
5/14 "armonia vol.15"@中目黒OVO
5/23 "armonia ANNEX"@恵比寿Liquid Loft
5/30 "SUPER SONIC"@渋谷MODULE
6/11 "armonia vol.16"@中目黒OVO

が予定されています。

そして、気になるAzzurroさんの使用機材/制作環境は、、、

azzurro_emviroment.jpg

コンピューター:APPLE Mac Pro Quad-Core INTEL Xeon 3.2GHz×2
DAW:ABLETON Live 7
使用エフェクト:Live 7付属のもの
モニター・スピーカー:MUZIK ELECTRONIC GEITHAIN MO-1、SONY SRS-ZI
ヘッドフォン:ROLAND RH-300
オーディオ・インターフェース:APOGEE Rosetta 200
ワード・クロック:ROSENDHAL Nanosync
コントロール・サーフェス:EUPHONIX MC Control

 

viBirth BEAT MONSTERのツボ、次回もお楽しみに!

Azzurro
1990年代初めにメロー・イエローのDJとして活動をスタート。プロダクション面での貢献と平行して、外部プロデュースやピーナッツ・バター・ウルフ、ノーバディ、マッド・ドクター・X、瘋癲などのリミックスを手掛ける。
2001年初頭にグループを離脱し、AZZURRO(アズーロ)名義で活動するように。A Tribe Called Quset「Jazz」のリミックスのほかBLUE NOTEのカバー・アルバム『New York Times』への楽曲提供、ミックスCD『Fly Me To The Moon』『Electric Relaxation』など多岐にわたる活動で独自のポジションを得る。2003年にソロ名義での初アルバム『Il Mare Azzurro』をW.B.A.より発表。2004年よりcappablackほかの活動で知られるハシム・Bとのユニット、ILL SUONO(イル・スォーノ)として活動を始め、soup-diskよりアルバム『ILL SUONO』、ダブリー、オミッドらが参加した『ILL SUONO Remixed』をリリース。2ndソロ・アルバム『10000 Light-Years From Home』(2007年)はフル・インストで、メロウで透徹としたサウンドスケープが高い評価を得た。近年はDJドレッズとのミックスCD『Flying Humanoid』、インナー・サイエンスとのスプリット『attributions e.p.』『attributions remix e.p.』、ユニークなライブ盤『disco dal vivo』などをリリース。
エンジニアとしてもDulo(DJ Kiyo)、サヴァス&サヴァラスなど多数のミックス/マスタリングを手掛けてきている。最新作として、Mic Jack Production、Freez、Miliらが参加した3rdアルバム『The B-Side』を2009年4月15日にリリース予定。
www.ilmareazzurro.com
www.myspace.com/ilmareazzurro

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